赤羽院浅川です。
日々診察をしていてとても多い会話。
「最近気になることありますか??」
「目が白くなったんですよ。白内障が出てきたんですよねー」
こんな感じのやりとり。
今回のお話は
それ、本当に白内障!?です。
白内障は、目の中の水晶体(レンズ)が白く濁ってくる病気というのは、人でもよく聞くと思うのでご存じかもしれません。人だと視覚に変化が出るようなので、濁りが進むと自覚症状があるようなのですが、犬は初期〜多少進んだ白内障くらいではほぼ症状は無い印象があります。
そしてなにより、初期の白内障はほぼ見た目も変わらない(分からない)!
飼い主の方が早い段階で白内障に気がつくことは大変難しいと思います。
しっかりとした検査を行うことで、初期の白内障に気がつくことができます。
では、最近目が白いのはなに・・・?
多くの場合 ”核硬化症”と呼ばれる加齢性の水晶体の変化で、見た目が「全体的に青白っぽくみえる」のが特徴と言えばそれに当たるかもしれません。5〜7才以上の犬ではこの核硬化症が出てきます。
今回のお題の3つの単語で検索をかけてみたんですが、どのサイトにも記載があり安心しました。ただ、結構さらっと書いてあるので、自分のうちの子がそれとはなかなか思えないかも・・・
核硬化症は目が見えなくなるとか、目が痛くなるなどの症状は起こしません。
なので、特にケア・治療は必要ありません。
重要なのは、目の白さが核硬化症であるという確認と、初期の白内障をはじめとした何らかの変化・病気が起きていないかを確認することでは無いかと思います。
ちなみに白内障は、水晶体がただ白く濁る(=見えなくなる)だけの病気ではありません。もちろん見えなくなることも重要ですが、進行すると目の中に強い炎症が起こり、痛みを出す可能性があります。この炎症が起きてしまうと、持続する目の痛み・合併症から、眼球摘出や義眼といった手術をしないとならないケースもあります。
白内障はそれ自体を薬などで治すことはできません(ネット上に治るという目薬が売ってますが・・・)。
専門施設での手術のみが、白内障を治す治療になります。
しかし、すべての白内障の目を手術しなければならないかというと、もちろんそうではありません。
その程度や、進行具合を見ながら炎症を抑える目薬を使いながら経過を見る子も沢山います。
早い段階で、把握し・しっかりと経過を見て・必要であれば手術を考える。
そんな病気だと思っています。
目が白く見えるってほかにも、目の表面の角膜にトラブルがあるときにも見える可能性があるので要注意。
すべての年齢層で”目が白い”が出てくる可能性があるので、是非一度「目の健康診断」を行ってみるのもいいのではないでしょうか!?
動物病院によっては、目を見る機器が無い・あるいは先生が眼科検査に慣れていないという可能性があります。
事前に確認をしてから受診することをオススメします!

ブラッシングは悪くない。
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