赤羽院浅川です。
梅雨に入り、なんだかすっきりしない日々が続いていますね。
最近うちの子皮膚の調子が悪くなった、なんて感じている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
さて、2年目を迎えた赤羽院に、長らく入院していた猫・トラに代わり、新たな長期入院となる子が現れたのです・・・。
その子が、めちゃめちゃ皮膚が悪いんです・・・・・。
今日はその子の紹介と皮膚のお話です。
4月のはじめに連れてこられたその子は、オーナーさんが突然亡くなってしまい、貰い手が見つからないなかで、里親会を介して当院に来ました。
現われた子は・・・
柴犬のリュウ、10歳くらいの男子。
スタッフ皆絶句。なんだこの犬は。。。。ひどい・・・
最初の印象は、100人中100人が同じく思うでしょう、「くさい。汚い・・・」でした。。。

あまりにひどく、すぐにシャンプーされる
話を聞くと、ここ数年皮膚の状態が悪く、病院には通っていた。飲み薬を続けていたが、良くならずにずっといた、とのことでした。
柴犬が皮膚病が多いことご存知でしょうか??
リュウは、脱毛・皮膚の変色・かゆみ、重度の脂漏(体の脂分が異常に多い状態)があり、細菌+マラセチア(カビの1種)の感染が確認できました。それに伴い、ひどい臭いを全身から発しており、これまでご家族・本人ともに大変だったことが容易に想像できました。
皮膚病で悩まれている飼い主さんは多いのではないでしょうか?柴犬に限らず、皮膚の悩みで来院される方はとても多いです。
飲み薬、塗り薬、シャンプー、サプリメント、フードなどなど、色々な方法が皮膚病の子には適用になります。
どこまでできるか?費用はどこまでかけられるか?飲み薬出来るか?などを考慮しながら、治療をしているはずです。
僕らはリュウに対し、薬を全部ストップして、シャンプーを毎日〜数日おきで実施と、サプリメントの投与のみを開始しました。




この時点で、全身の脱毛が目立つと思います。
足先も、赤くなっており、毛の薄さもわかります。
少しずつ環境にも慣れて、だいぶリラックスするようになってきます。

とはいえやっぱり痛々しい、、

時にはこんな風にガードをしたり・・・

シャンプーは好きではないんだ
日々のケアにも耐えて・・・
2か月後




かなりの変化を感じてもらえるかと思います。
この2か月は・・・
・シャンプー→毎日〜3日毎
・サプリメント
・かゆみ止め→シャンプーだけではさすがに維持困難でした。ただ、少ない量で維持できています
・食事→もともとアレルギー食だったのを、スキンケアメインのものに変更し、これを継続
体重も3kgほど増加し、右後ろ脚のスキップ歩きも、いつの間にか改善するなど、皮膚だけでなく全身の状態がとてもよくなりました。
元の飼い主さんは、とてもとてもリュウのことを可愛がっていたと聞いています。
ちゃんと病院にも通っていたそうです。
ただ、その方法はリュウには合っていなかったと言わざるを得ません。
リュウの皮膚状態にはシャンプー療法が最善の方法でした。
リュウのようにシャンプーをメインにし、薬を最低限にすることもできるんです。
(ただ、病院なのでこのペースでシャンプーが出来たので、功を奏した部分もあります。
普通のご家庭で、毎日シャンプーするのはかなり難しいですよね実際・・・。)
とても愛嬌のあるリュウ。なんといっても表情が哀愁漂っています。
性格も穏やかなので、なんとか里親さんを探せたらと思っています。
ただし・・・
・シャンプーを3〜4日毎に行う(これ以上あけると、ベタツキと臭いで出てくるんです・・・)
・定期的な通院(薬が必要なので)
が必要なので、そのハードルはとても高いものになっています。
もしも、、、もしも少しでもお考えいただける方は、赤羽院までお問い合わせいただけたらと思います。

先日撮った1枚。微笑ましい光景です。
ただ、トラがいない今・・・
この猫はいったい!?
次回、半身まひの猫 ”おひや” 登場です